逆格子

前章までで結晶の対称性とその記述方法についてまとめました。それでは、その結晶にX線や電子線を入射した際に生じる回折を考えましょう。その第一の準備として、逆格子を導入します。逆格子は、実在の結晶において定義される面を逆空間における格子点として扱う概念です。この変換は、実在の結晶において定義される面の法線方向のベクトルを考え、その長さを面間隔の逆数とすることにより実行されます。図3.1に実空間の格子と逆格子を示します。逆格子における1つ1つの点は実格子の面に対応し、実空間においてその面を特徴づける情報(面間隔や方位)をきちんと保持しています。なお、逆格子の指数自体は面ではない(逆格子点)なので$(010)$ではなく、010のように括弧なしで表記します。逆格子においても実空間の格子と同じように、基本ベクトルが定義でき、それは逆格子基本ベクトルと呼ばれます。また、$(hkl)$面に対応する逆格子ベクトルは$\vec{g_{hkl}}$と表記されます。

図 3.1: 逆格子
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Hitoshi TAKAMURA
2017-01-06