格子点の取り方

格子点の取り方は、「結晶中で周囲の環境が同一」とう条件を満たせば任意で無数あります。図1.3において、大きい黒点を原子とします。このとき、左下の太い実線で示される平行四辺形は格子点の用件を満たしていません。これに対し、細い黒、青、オレンジで示された点は正しい格子点を結んだものです。青い格子(格子点を結んだ枠)とオレンジの格子では、格子点が原子と重なるように取られています。これに対して、別の正しい格子(黒)では格子点は原子の存在する場所ではありません。すなわち、格子点は、「結晶中で周囲の環境が同一」であれば、原子の位置と重なっても良いし、重ならなくても良いということです。格子点はその周囲の環境が同一ですので、区別はありません。ここで、もう一つ重要な点は、この格子は枠という概念であり、結晶の構造を全て記述する結晶構造と言うにはまだ不十分です。

図 1.3: 格子点の取り方
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Hitoshi TAKAMURA
2017-01-06