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単位格子中にn個の原子がある結晶の任意の(hkl)面のX線回折強度を計算する方法

波長$\lambda$のX線を結晶に入射した場合、面間隔$d$を有する結晶面とX線の回折角$2\theta$には以下の関係がある。
\begin{displaymath}
2 \theta = 2 \times sin^{-1} \biggl( \frac{\lambda}{2d} \biggl)
\end{displaymath} (1)

ただし、 $\frac{\lambda}{2d} \le 1$でなくてはならない。

このとき、任意の(hkl)面のX線回折強度$I_{hkl}$は構造因子$F_{hkl}$を用いて、

\begin{displaymath}
I_{hkl} \propto \vert F_{hkl} \vert ^{2}
\end{displaymath} (2)

と表される。ここに$F_{hkl}$は、
\begin{displaymath}
F_{hkl} = \sum_{n = 1}^N f_n e^{2 \pi i (h \cdot x_n + k \cdot y_n + l \cdot z_n)}
\end{displaymath} (3)

であり、$h, k, l$ は面指数、$x_n, y_n, z_n$はn番目の原子の部分座標、$f_n$はn番目の原子のX線散乱能である。オイラーの公式( $e^{i \theta} = cos \theta +i \cdot sin \theta$)から、上式は以下のようにも記述できる。
\begin{displaymath}
F_{hkl} = \sum_{n = 1}^N f_n [cos 2\pi (h \cdot x_n + k \cdo...
... + i \cdot sin 2\pi (h \cdot x_n + k \cdot y_n + l \cdot z_n)]
\end{displaymath} (4)

従って、 $F_{hkl} \vert ^{2}$は、

\begin{eqnarray*}
\vert F_{hkl} \vert ^{2} & = & \{f_1 cos 2\pi (h \cdot x_1 + k...
...sin 2\pi (h \cdot x_2 + k \cdot y_2 + l \cdot z_2) + \dots\}^{2}
\end{eqnarray*}

と実数の三角関数のみを用いて表現できる。


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Hitoshi Takamura
平成16年11月5日