課題レポート（酸化ジルコニウムのX線回折図形の計算（最終回））

• 1においては同じ角度の回折線、例えば、

  (  1  1  1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  (  1  1 -1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  (  1 -1  1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  (  1 -1 -1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  ( -1  1  1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  ( -1  1 -1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  ( -1 -1  1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  ( -1 -1 -1 ) d = 0.2968 nm  2Theta =  30.09  Intensity = 6.88e+05
  

  などが重なっている。
• また、実際の結晶においては熱振動や歪みなどにより原子の位置が揺らいでいるため 、また、X線の波長（0.15405 nm）自身にもある程度の幅があるため 回折図形は2に示すように幅が生じる。
  

• ２θおよびintensityの値を記憶する配列、例えば、angle[12000], reflection[12000]を用意する。
• for文を利用して、配列angleには、0°〜119.99°までの角度を0.01°刻みで代入する。すなわち、
  
  angle[0] = 0
  angle[1] = 0.01
  angle[2] = 0.02
  ---途中は省略---
  angle[11999] = 119.99
  
  となる。
• 前回までに作成したプログラムにおいて、構造因子F²にローレンツ因子Lを掛けた値 が0.001以上の面（hkl）について、angle[0]~angle[11999]の範囲で、それに対応するreflection[0]~reflection[11999]の値を以下の ガウス型関数により計算する。
  
  ここに
  
  式中において、x₀はその面（hkl）に対応する２θ値であり、xは2θを格納している配列変数angle[i]（i=0~11999）である。 従って、各々の2θ値に対応して減衰項g(2θ)が計算でき、それをF²Lに掛けることにより、 各2θに対応するintensityを計算できる。ここで、g(x)はx = x₀のとき1となり極大値をとることに注目。
  
  
• このことをある回折面を例に図であらわすと以下のようになる。
  
  
  
  黒線がある回折面のF²L値であり、赤線は角度２θをラジアン、width = 0.01として g(2θ)、0 <= 2θ < 120、を計算しF²Lに掛けたもの。
  
  
• この計算をh、k、lの指数が-4から4までF²Lが0.001以上の全ての面について行い、intensityの値を配列reflection[i]に積算 していく。
  
  
• 「計算が全て終わった段階」で以下の出力文により、2θとintensityの値を出力する。

    for (i = 0; i < 12000; ++i) printf("%.2lf %.2le\n", angle[i], reflection[i]);                                                                             
  

• g(x)の式中のxには２θが変数として入るが、その単位はラジアン。
• g(x)の式中のwidthは0.01とすること。
• g(x)はangle[i], ある面の回折角2θ，widthを引数とする関数として作成することが好ましい。例えばその関数定義は、以下のようになる。
  

  double gauss(double angle1, double twotheta_hkl, double width)
  {
  ここに関数の計算式、return文を記述する。
  }
  

  ただし、これが難しい場合はmain()の中で処理しても構わない。
  
  
• 2θの範囲は、0°以上119.99°以下とする。

0.514
12
0.0 0.0 0.0 40
0.5 0.5 0.0 40
0.5 0.0 0.5 40
0.0 0.5 0.5 40
0.25 0.25 0.25 8
0.75 0.25 0.25 8
0.25 0.75 0.25 8
0.25 0.25 0.75 8
0.75 0.75 0.25 8
0.25 0.75 0.75 8
0.75 0.25 0.75 8
0.75 0.75 0.75 8

（出力結果）
0.00 0.00e+00
0.01 0.00e+00
0.02 0.00e+00
0.03 0.00e+00
0.04 0.00e+00
0.05 0.00e+00
0.06 0.00e+00
0.07 0.00e+00
0.08 0.00e+00
0.09 0.00e+00
0.10 0.00e+00
---途中省略---
30.00 5.37e+06
30.01 5.40e+06
30.02 5.43e+06
30.03 5.45e+06
30.04 5.46e+06
30.05 5.48e+06
30.06 5.49e+06
30.07 5.50e+06
30.08 5.50e+06
30.09 5.50e+06
30.10 5.50e+06
---途中省略---
119.90 2.82e-15
119.91 2.21e-15
119.92 1.74e-15
119.93 1.36e-15
119.94 1.07e-15
119.95 8.35e-16
119.96 6.54e-16
119.97 5.11e-16
119.98 4.00e-16
119.99 3.12e-16

• 作成したプログラムをxstudentにより提出せよ。その際、ファイルを選ぶ画面では
  zro2.txt（座標等を入力したデータファイル；名前は自分で適当につけて良い）
  zro2G.c（作成したプログラム；名前は自分で適当につけて良い）
  の二つを選択する（このときデータファイルzro2.txtも選択しないと計算できないので注意）。
• コンパイル命令に-lmを忘れない。
• 実行命令には、a.out < zro2.txt と入力せよ。（計算に時間がかかるので、提出が完了した旨のメッセージがでるまでに少し時間を要する）
• 提出後、必ずexecutionログを確認し、意図した結果が提出されていることを確認せよ。
• これに加えて結果をプリントアウトしたものを平成15年12月10日（金）13：00に提出せよ。

• a.out < zro2.txt > resultによりファイルに結果を出力する
• エディタを利用して不要な行（Lattice ...等と表示されている行）を削除して保存
• gnuplotを起動
• プロンプト>に対して、plot "result" with linesと入力すれば2と同様の図が 表示される。
• 印刷の仕方
  プロンプト>に対して set terminal postscriptと入力
  その後、プロンプト>に対して set output 'psfile.ps'と入力
  最後に、プロンプト>に対して plot "result" with linesと入力すると上で指定したpsfile.psに 印刷用の命令が出力される。
  gnuplotをquitコマンドにより終了後、端末エミュレータより、lp -d r1mono1 psfile.ps と入力すると、第１実習室の後ろにあるプリンタr1mono1に結果が出力される。
  
• gnuplotの使い方が不明の場合は、Excelなどを利用しても良い。