X線回折との比較

6.1には、電子回折とX線回折の光線図を比較して示してある。電子回折では、電磁石からなる電子レンズを利用し、散乱波(回折波)が後焦平面で焦点を結んでいるのに対し、X線回折では、散乱したX線を十分遠方で観察することになる。図6.2には、電子回折とX線回折におけるラウエ球と逆格子の幾何学的関係を示してある。通常、X線回折で利用する波長が約 0.1nm程度であるのに対し、電子の波長は著しく短い。このため、回折条件を決定するラウエ球が非常に大きなものとなり、図6.2では平面として近似できることがわかる。このため、電子回折では、逆格子断面を直接観察できることになる。

図 6.1:
\includegraphics[width =.75\linewidth]{s12.epsf}

図 6.2:
\includegraphics[width =.75\linewidth]{s13.epsf}



Hitoshi TAKAMURA
2017-01-06