結晶のステレオ投影

2.9には立方晶のステレオ投影図の一例を示す。参照球の中心に結晶を置く場合、その向きは任意ですが、一般には(001)などの面の法線が投影面に向くような標準的な配置がとられます。 図2.9は立方晶の001標準ステレオ投影と呼ばれます。ここで、ステレオ投影図では大円(図2.9において実線で表されている)は晶帯軸を表していることに気づくでしょう。例えば、南極に位置する100から出発して、111、011、 $\overline{1}11$、を経て $\overline{1}00$に到達する大円は晶帯軸 $[0\overline{1}1]$です。実際に、これら面の指数と晶帯軸の指数はワイスの晶帯則(2.5節参照)を満たしています。また、同じ晶帯に属する面の指数$(hkl)$$(h'k'l')$から計算される $(phqh' pkqk' plql')$、ここに$p,q$は任意の整数、という面は必ず同じ晶帯に属する性質も確認できます。

図 2.9: 立方晶の001標準ステレオ投影
\includegraphics[width =.75\linewidth]{slide18.epsf}



Hitoshi TAKAMURA
2017-01-06