回折とフーリエ変換

前節では、時間の関数x(t)に対するフーリエ変換を議論したが、周期関数が位置x(長さの次元)の関数についても当然そのまま適用できる。ここで、結晶の定義をもう一度考えてみよう。結晶はある繰り返しの単位(格子、結晶構造の概念)をもっている。では、結晶にフーリエ変換を適用した場合、得られる結果は何を意味するのであろう。

4.3及び図4.4は同一サイズの2次元格子であるが、一方は一層おきに規則的に色の薄い原子がおかれている。図4.5及び図4.6はその画像にフーリエ変換を適用した結果である。フーリエ変換は時間軸に対しては時間の逆数である周波数スペクトルを、長さの次元を有する格子に対しては、逆空間のスペクトル(逆格子)、すわなち回折像を与えるのである。図4.3及び図4.4の配列の違いがフーリエ変換像において、どのように反映されているであろうか?

図 4.3: 2次元格子
\includegraphics[width =.455\linewidth]{lattice4.epsf}

図 4.4: 2次元格子(規則配列)
\includegraphics[width =.45\linewidth]{lattice3.epsf}

図 4.5: 2次元格子のフーリエ変換像
\includegraphics[width =.45\linewidth]{FFT_lattice4.epsf}

図 4.6: 2次元格子(規則配列)のフーリエ変換像
\includegraphics[width =.45\linewidth]{FFT_lattice3.epsf}



Hitoshi TAKAMURA
2017-01-06