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続いて、得られた初期配置・初期速度から分子動力学シミュレーションを実施するために「相関」を考慮します。下の図に示すように初期配置として得られた200個の粒子は各々自身以外の199個の粒子とレナード・ジョーンズ型ポテンシャルによって生じる力の相互作用をもちます。しかし、その相互作用は距離の増加に伴って急激に減少し無視できる大きさになるためある距離rで打ち切っても問題ないことはある程度予想できると思います。
そこで、まず「考慮しなければならない相関」を以下の手順でリストアップします。
- 相関を考慮する半径を決める(例えば、Rmax = 3.3)。
- 配置した粒子について、Rmax以下となるペアを見つけて、ペアリストを作成する。
- 整数型の配列pair[40000][2]を定義し、ペアリストとしてはpair[i][0]とpair[i][1]に上の条件を満たす粒子の番号を格納する。例えば、初期配置において原点近傍にある粒子0と粒子1の距離はRmax以下になるので、1番目のペアとしてはpair[0][0] = 0、pair[0][1] = 1が見つかる。引き続き粒子0は粒子2ともその条件を満たすので、pair[1][0] = 0、pair[1][1] = 2となる。粒子0はその他、粒子10や粒子19とも相関を有する。
- このペアを見つける際に、次節で述べる「周期的境界条件」を適用する。
- なお、粒子0について、ペアリストを調べ上げたら、粒子1について同様の作業をする。しかし、この際、粒子0と粒子1の相関は粒子0からみて既にリストに含まれているので重ねて考慮しない注意が必要。
- このペアリストを作成する機能も「関数」としてコーディングする。
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Hitoshi Takamura
平成16年12月26日