3/7-8 固体化学の新しい指針を探る研究会(白鳥)
こんにちは。B4の白鳥です。
3/7,8に日本大学で行われた、「固体化学実験法入門」、「固体化学の新しい指針を探る研究会」に参加してきました。僕にとって初めての学会でした。
僕と木村くんは慣れない東京に戸惑いながら、駅の人ごみ達と京王線に乗って日本大学文理学部キャンパス最寄の下高井戸駅に向かいました。駅のパン屋さんのソーセージパンとコーヒーで朝食を済ませた僕らは日本大学を目指します。駅からは地面が赤と緑色に塗られた商店街が続いています。大学の付属高校に通っているらしい生徒達と同じ方向に10分ほど歩くと、文理学部キャンパスに着きました。上から見ると歪んだハート形をした百周年記念館の2階で「固体化学実験法入門」は開催されました。
そこでは、「電池概論」、「拡散と化学ポテンシャル」、「固体化学におけるインピーダンス解析の基礎」、「結晶の対称性と構造解析」、「固体の反応性と熱力学」の5つの講義を受けました。「結晶の対称性と構造解析」はもちろん高村先生のご担当。
「電池概論」では特にリチウム二次電池に関して、根幹となる考え方から実用上の実際的な課題まで幅広く取り上げていました。僕自身、リチウム二次電池に関する研究をしていますが、改めて材料設計をする際の原理原則を確認することができました。
また「拡散と化学ポテンシャル」について、材料の不定比性と不定比による化学ポテンシャル差の関係、は新しい物の見方を教えてくれました。それから、講義をされた東北大学多元研、雨澤先生も非常に印象的でした。雨澤先生の第一印象は「怖そう」。とても体躯がよく、厳しい表情をされていたからです。それでも、講義の冒頭、自己紹介を終えられた時点で、「とってもユーモラス」な方だと分かりました。非常にスポーツがお好きで、海外出張の際の楽しみはスポーツ観戦だそう。その体躯のよさも運動による物だと知りました。
「固体の反応性と熱力学」では、化学ポテンシャル図というものが紹介されました。電位ーpH図のような考え方で、成分の化学ポテンシャルで張られる平面や空間に、安定相が線や面として表されます。状態図とは違った視点から生成相を予測でき、大変役に立つことが分かりました。
また、高村先生の「結晶の対称性と構造解析」は授業の結晶回折学とセラミックス材料学の話でした。授業を受けていた頃には実感のなかったフワフワしたものを、あらためて聞いた訳です。そうすると、実際に研究上の困り事とフワフワが結びついて、ハッキリと捉えられるものに変わりました。感動です。
講義の合間に僕と木村くんと実奈さんと高村先生の4人で、大学の食堂カフェテリア秋桜で昼食を食べました。そこは東北大の学食と大きくは違っていなくて、僕らは就職関係の話をしていたと思います。
講義の後は、僕と木村くんで夕食を食べました。地面が赤と緑色の商店街で、ぼくはハンバーグとステーキのセットを、木村くんはハンバーグと唐揚げのセットを食べました。木村くんが僕のステーキを食べたそうにしていました。でもあげませんでした。
大変充実した一日となりましたが、慣れない東京と5つの講義(いわゆるフルコマ)で僕らはクタクタでした。新宿駅から歩いて15分ほどのホテルへ。7時過ぎにチェックインして間もなく僕らは眠り、翌朝10時に目覚めました。
「固体化学の新しい指針を探る研究会」は1時開始なのでその前に昼食を、やっぱり赤と緑色の商店街で済ませます。仙台にはないバーガーキングに入って、二人とも何かしらハンバーガーのセットを食べました。朝食は食べませんでした。
「固体化学の新しい指針を探る研究会」は食堂のある建物で行われました。若手の会と銘打たれていて、口頭発表もポスター発表もアンダー40の研究者によります。高村研としては、この日から合流した川森さんが口頭発表を、僕と木村くんと実奈さんがポスター発表を行いました。まず口頭発表が2階、マテの大講義室よりも一回りくらい大きな部屋で行われました。ほとんどが固体酸化物型燃料電池(SOFC)に関する物でしたが、一部、リチウム二次電池や蛍光体などについての発表もありました。様々なグループが競ってSOFCの研究をしていることが分かり、また、蛍光体の原理などはここで初めて知りました。川森さんの発表が、見慣れているからかもしれませんが、とても見やすくて「さすがだなあ」と思いました。また若手の会ということで座長は学生からの質問を促します。しかし慣れない学会の場、しかも最初の発表者に対してで、質問をするのが憚られました。それでも、座長の促しに背中を押されて、僕ははじめて学会で質問をしました。それはとても良い経験になりました。
口頭発表終了後、会場を昨日の食堂に移し、僕にとっての本番であるポスター発表兼懇親会が行われました。僕のポスター発表には、リチウム二次電池を研究されている方から、イオニクスとは無関係の蛍光体を研究されている方まで来ていただきました。そこでは、相手の理解に合わせて伝える必要があり、難しさを感じました。
同時開催された懇親会の方では、XLサイズのピザにお寿司、ビールまであってお腹いっぱい。また、他研究室や他大学の先生や学生と話すいい機会にもなりました。
充実した二日間はあっという間に過ぎ僕らは仙台へと帰りました。
今回が僕にとって初めてとなる学会でしたが、二日間ともとても有意義なもので、今後のモチベーションにもなりました。また機会を見つけて参加したいです。
- コメントを投稿するにはログインしてください