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2021年度博士論文本審査会

D3の川森です。1/17に博士論文本審査会が行われました。博士学位論文の教務への提出も済ましたので、博士号取得に向けた研究は終えたことになります。

6年間研究を行ってきたので、この発表が最後だと思うと寂しくなりますね。ただ卒業式まではまだ時間がありますので、やり残していた実験ややりたかった実験、投稿論文としてのデータまとめ、4年生の卒論発表の指導などやれることはやってから卒業したいと思います。



注: 超長文です。

 

本審査は予備審査同様60分の発表です。予備審査とは異なり公開審査となります。最後だと思うと緊張しましたが、ワクワク感もありました。

結晶学やイオニクスに精通した先生方が副査で、こんな恵まれた環境で博士論文発表ができることは普通ないと思います。

予備審査で指摘していただいたことで研究背景が見直され、また、研究も大きく進捗しました。

この研究の鍵となる面白い挙動でありながら原因不明であった現象が、何によって引き起こされていたのか予備審査後に判明したため、自分の中では納得のいくところまで研究が進みました。

自分の注目した材料合成手法がどのような方向性で新規化合物の探索に役立つか、得られた新規化合物がどのような伝導度向上機構で高い伝導度が得られていたか、そして、その伝導度向上機構が従来の材料と比較してどう有意であるか、を示すことができたのではないかと考えています。

 

本審査の質疑では、初期の狙いに対してなぜ説明できない結果が得られたのかや、この研究(この材料系)にとどまらないその研究分野への貢献は何か(工学的意義、学術的意義)、その手法が次の研究にどう繋げられるか、本研究の知見から次はどういう材料系が良いと考えられるか、といった意図の質問が多かったと思います。

考えさせられる質問が多く、考えることで自分自身も成長できて、研究の意義も研ぎ澄まされる質問であったように思えます。

 

ここまで査読を引き受けてくださった副査の先生方に感謝いたします。

そして、6年間高村研での研究を支えてくださった、主査 高村先生に心から感謝いたします。

審査直前まで測定にご協力いただいた格先生、学生時代からの付き合いで気軽に相談に乗ってくださった石井先生にも感謝いたします。

 

 

 

 

 

振り返ると、4年生で研究室に配属されたときに直上の先輩がD3の目崎さんであったり、大学1年生のときの創造工学研修で出会った早水さんが4年生時にD2として高村研に残っていたり、他にも色々と博士との縁が深かったように思えます。

先輩方を見ていて研究の深さや面白さが伝わりましたし、特に早水さんのような研究室全体に目を配れて研究室のために動ける先輩がいて、こんな先輩になりたいと思えるような先輩達がいたことが自分の中では大きかったです。

幸夫さんや戸村さん、村嶋さんに懇切丁寧に実験について教えていただき、人それぞれですが頼れる考え方を持つ先輩方に囲まれ、恵まれた環境だったと思います。

博士として3年間やってこれたのはそんな先輩たちの姿があったからだと思います。

 

 

同期や1個下の山口の代とは、研究室のイベントを一緒に開催したりすることが多く本当に楽しい時間を過ごすことができました。研究室で一緒に成長できている感覚があったことも嬉しかったです。修士修了までの研究室生活は確実に彼らに支えられていました。

2個下の田澤たちの代は初めて直下を持つ代だったので印象的でした。特に白鳥とは一緒に高圧合成を行なってきて、白鳥のアイデア力が面白かったです。彼らがM2になるときは高村研に計算化学が本格的に導入され始めた時期でしたが、新しいことを自分で切り開いていて優秀だなと思っていました。後輩の成長が見れるのも博士として残ることの良さだと思いました。

3個下の今のM2、村上たちの代は一緒に卒業する代なので、博士論文を書いているときに近くで修士論文を書いている3人がいてくれて孤独感はなかったです。雑談に付き合ってくれてありがとう笑

修論発表までもう少しなので頑張ってください。

今のM1、B4の代には、コロナがあったことで今までの高村研を伝承できなかったことが最大の心残りです。限られた環境で何を残せたかはわからないですが、これからの高村研を任せます。

大学院から片平の研究室に移動する人もいますが、高村研で学んだことがなくなることはないので、精一杯頑張ってほしいと思います。ご活躍をお祈りしています。

 

 

これで東北大での研究を終えることになります。

なかなか大変な合成手法だったのでつらい期間もありましたが、自分で考えたテーマがここまで広がってくれて後悔はありません。

研究は予想の斜め上の結果が出ることが多いですが、なんでそうなるのかや次どうしたらよくなるかを考えることは楽しいことだと思います。

卒業しても高村研究室の博士であることを誇りに持って、東北大の博士として恥じないように研究に向き合っていきたいと思います。

就職してからも学会などで高村研の学生に会うことがあったり、共同研究などで繋がりを持つことができたら嬉しいです。

 

 

次は山口が博士論文審査に挑戦する番ですね。

5年間という1番長い時間を共に高村研で過ごして、高村研の変化と共に成長することができ、博士の最後までこんなに楽しく高村研生活を送ってこれたのは確実に山口がいたおかげです。本当に感謝しています。

学会やセミナーで一緒に議論してくれたり、普段何気ない話をしてくれたり聞いてくれたり、ありがとうございました。研究室がより良くなるように考えて行動してくれたのですごく助かっていました。

山口のD3としての1年間ずっと応援しています。

 

 

最後になりますが、やっぱり高村研で良かったと本当に思っています。

高校のときにオープンキャンパスで高村先生の模擬授業を聞いたときが始まりで、高村研の雰囲気や研究が好きで、興味を強く持って研究室生活を送ってこれたのだと思います。

高村研で、そして今までの研究生活で出会った方々に感謝いたします。