金属学会と時効について
こんにちは!M2の三浦時瑛です。
ブログの更新が大変遅れてしまいましたが、9/18-20の三日間に渡り「2024年度金属学会秋季大会」に参加させていただきました!
自分としては初めての学会参加だったため、行く前は非常に緊張していました。しかし、東北大のマテリアル系からの参加者も多かったり、各セクション自体は少人数で行われていたりとホーム感が強く、リラックスして参加することができました!
聴講では、自身の研究分野に限らず、非常に幅広い分野の発表を聞くことができました。強誘電体の研究をしている方も発表を行っており、特にミクロな視点でマルチフェロイック材料の作製に挑戦している研究は、個人的に最も興味深かったです。
他にも、金属分野出身でセラミックスを構造材料として研究していらっしゃる方もいて、同様のものを扱っているのに視点の違いによって常識や前提などが全く異なることを実感しました。
自身の発表では、想定より多くの質問をいただくことができました。相手の意図を汲み取って回答することの難しさを改めて感じると同時に、自身の研究内容に踏み込んだ質問をいただくことができ、自分の研究がしっかりと伝わっていることが嬉しかったです。
三日間を通して、自分の研究に対して改めて向き合う非常に貴重な経験をすることができました。このような機会をくださった高村先生、深夜まで発表練習に付き合ってくださった石井先生、結果についてアドバイスをいただいた格先生、本当にありがとうございました!
ここからは、金属学会とは全く関係のない「時効」について、最近面白いなと思ったことを述べていきたいと思います。ご興味のある方のみお読みいただければ幸いです。
みなさんは「時効」と聞いて、何をイメージするでしょうか。ここまでお読みいただいているマテリアル系の方なら、金属に熱処理を施す「時効処理」が真っ先に頭に浮かぶと思いますが、今回取り扱うのはよく刑事ドラマなどで耳にする「時効」になります。
意外と気にすることのない時効の定義ですが、「ある出来事から一定期間が経過していることを尊重し、その事実状態に即した権利関係を確定させること」とされています。
簡単にいうと、「権利について一定期間同じ状態が続いたら、それ以降もその状態が継続するってことにしよう!」といったニュアンスです。
自分が何を言いたいのかというと、法律上の「時効」には、一定期間同じ状態が継続しているというイメージが込められているということです。
ここで少し話を戻しまして、金属における時効について考えてみましょう。例えば、熱処理によって第二相を析出させ、強度を向上させることも、時効処理にあたります。この時の「時効」という言葉には、時間によって組織ないしは状態を変化させるというイメージが込められています。
全く同じ言葉にも関わらず、その言葉を使う分野によって「時」という字に対するニュアンスが180°異なることに面白みを感じたため、英語でも同様のことが起こるのかが気になり、調べてみました。
すると、金属の時効処理はご存じ「Aging」、法律上の時効は「Statute of limitations」でした。全然違うんかい。
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