2025年固体電気化学実験法入門セミナー(岡崎)
こんにちは!M2の岡崎です。
報告が遅くなってしまいましたが、6/13(金)に行われた固体電気化学実験法入門セミナーに参加させていただきました。
セミナーで特に印象に残っているのは、雨澤先生の"拡散"に関するご講演です。固体イオニクスという分野に属していると、固体における拡散は当たり前に起こるように感じます。ですが改めて考えてみると、濃度勾配のない固体の中をイオンが拡散するには、よほど動きたいというきっかけがないと厳しいですよね、、そのような疑問に対し、雨澤先生は拡散の言葉の定義から、化学ポテンシャル勾配の導入に至るまで深く教えてくださいました。中でも勉強になったのは、材料の組成が僅かに変わる(=酸素量が変わる)ことで拡散の駆動力となる化学ポテンシャルが大きく変化することです。私自身そのような酸素不定比性をもつ酸化物を研究対象としているので、ごく僅かな酸素量の変化が桁違いの化学ポテンシャル変化を引き起こすことは心に留めておく必要があると感じました。また、研究のヒントも得られました!電池の固体電解質として使われる部分安定化ジルコニアにおいても、組成を僅かに変えている理由を深く理解できたと思います。
また、SOFC/EC研究の権威として知られる川田先生から、ご退職前にインピーダンス解析の詳細を学ぶことでき大変貴重な機会となりました。
今回セミナーに参加させていただいて、改めて研究に繋がる勉強、知識の蓄積の重要性を感じました。研究をしていると実験・計算ばかりを進めたくなりますが、壁にぶつかった際に必要なのは固体化学にとどまらず材料科学の広い知識だなと実感する日々です。このようなセミナーに積極的に参加したり、自分自身でも知識を貪欲に吸収し学習する習慣をつけたいと思います。
最後に、このような機会をいただいた高村先生、事務手続きをしてくださったゆき子さんに深く御礼申し上げます。
- コメントを投稿するにはログインしてください