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【論文掲載】500℃以上の高温まで耐えられる黒く電気を流さないコーティングを開発(D2山口)

ディスプレイにおいて、「美しい黒」を表示できることはとても重要です。ディスプレイ内部の反射を減らし、より黒い黒色を実現するために、光学的に黒いコーティングが施されます。高村研究室ではこれまで、この光学的に黒いコーティング、つまり、可視光波長の光吸収強度が強く一定である材料を多数開発してきました。

(参考)

しかし、これら材料は室温でのみ安定であり、加熱により分解・変質してしまうため、使用できる温度に制限がありました。これまでの研究で微細組織が光学定数(色)に影響を与えることが明らかになっており、熱を加える前後で微細組織を一定に保つことが課題となっていました。

今回開発したAg-Al-Fe-O材料は、熱を加える前後の微細組織の変化が小さいため、500℃に熱した前後での色味の変化が抑えられました。

本開発により黒色絶縁コーティングの使用温度が広がり、高温にさらされるタッチパネルディスプレイの視認性・デザイン性向上が期待されます。

本成果は、国際学術雑誌 ACS Applied Materials and Interfaces にオンライン掲載されました。

https://doi.org/10.1021/acsami.1c17599

本文中では実験データに加え、光学特性(色)の起源を探るべく第一原理計算を相補的に用いた考察や、実用化に向けた積層膜のシミュレーションも記載しています。

ぜひご覧ください!