【論文情報】"鉄さび"で排ガス浄化用酸素貯蔵セラミックスを高性能化(M1岡崎)
自身の研究成果がナノサイエンスに関する国際学術雑誌『Small』に掲載されました。
https://doi.org/10.1002/smll.202412830
排ガス浄化触媒に使用される酸素貯蔵セラミックス、セリウム・ジルコニウム系酸化物にたった5体積%の"酸化鉄"を添加するだけで、高い酸素貯蔵能力が得られることを発見しました。また、この酸素貯蔵能力の向上において、精密な酸素分圧制御による結晶構造の制御が重要なカギであることを見出しました。
この知見は、排ガス浄化触媒の低コスト化やパラジウム等の貴金属使用量低減への貢献が期待されます。
タイトル:Insights Into Low-Temperature Cation Ordering in Fe-Added Ce–Zr-Based Oxides
著者:Yume Okazaki, Akihiro Ishii, Itaru Oikawa, Hitoshi Takamura
掲載誌:Small
DOI:10.1002/smll.202412830
オープンアクセスとなっていますので、ぜひご覧ください。また、本成果は東北大学からプレスリリースされました。
大学 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/04/press20250402-01-fe.html
研究科 https://www.eng.tohoku.ac.jp/news/detail-,-id,3166.html
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執筆から掲載に至るまで、先生方には多大なるご指導を賜りました。心より感謝申し上げます。
論文執筆、特に査読の期間は研究室に入って初めて辛いと感じ、想像を遥かに超える大変さでした。しかしこの期間を通し、同じことを述べるにも伝わりやすい英語表現や論理の展開、読者を見据えた背景の広げ方、わかりやすくかつキャッチーな図の作り方など、普段のスライドづくりでは学べないことを多く吸収することができました。研究を自己完結させず、伝わる面白さを追求するには細部まで工夫が必要だと実感しました。
材料に限らずナノサイエンスを広く扱うトップジャーナルSmallに自身の研究成果が採録され、まだ信じられない気持ちもありますが、初めてリンクで自分の論文を見ることができたときの感動は忘れられません。今後も精進し、伝える能力を向上させるためにもまた論文執筆に挑戦してみたいと思うばかりです。
改めて高村先生をはじめとする先生方、時間が限られている中でも妥協せず論文がより良くなるよう指導してくださっただけでなく、私が成長できるように取り計らってくださったり、メンタル面のサポートまで誠にありがとうございました。深く御礼申し上げます。
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