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2019年電気化学秋季大会@山梨9/5-6(D1川森)

D1の川森です。

9月5,6日に山梨大学で開催された電気化学会2019年秋季大会に参加して発表を行ってきました。





山梨大学は燃料電池で有名な大学の一つであり、本大会の実行委員長も燃料電池の研究をなさっている先生で、本大会は燃料電池セッションが非常に充実しておりました。

次週に京都でThe 16th International Symposium on Solid Oxide Fuel Cellsが控えていることもあり、インターナショナルセッションとなっていて招待講演や特別公演が多く、著名な先生や企業の方の研究をじっくり拝聴しました。

(私の発表は固体化学セッションです。)

 



私は材料学科出身で発表セッションも固体の科学なので、材料をどう作るかや材料そのものの物性に注目した研究が多いです。

しかし、燃料電池セッションは電解質や電極のそれぞれの材料からセルを組んだときにどういう箇所にどういう問題点が存在し、条件を変えると全体としてどれくらいの性能が出るか電池としての評価や、それをスタックや実用的な電力が取れるシステムにスケールアップした際に次にどういう課題があるか、など少し視点の違う学びがある発表でした。



 

自分の発表については質疑応答時間がもう少し長く欲しいと思いました。

口頭発表とポスター発表で一長一短ありますが、気楽にお互いに色々聞き合えるポスター発表も良いですね。



1日目の発表が終わった夜は、高村先生の計らいで固体化学セッションの学生で懇親会を行いました。

どういう意識で研究に取り組んでいるかは人それぞれですが、この様な場で知り合えた人とは学会に限らずまた巡り会うことがあるので貴重な機会です。

 



2日目の午前中も私は燃料電池セッションを聞き、午後は米倉山電力貯蔵施設見学ツアーに参加してきました。



この施設は環境学習の場として再生可能エネルギーの理解を深める展示をしており、実際に太陽光パネルや燃料電池を用いて効率的な運転制御や信頼性の検証の実証試験を行う施設でもあります。

年間1200万kWhの電力量を発電できるメガソーラーや、太陽光エネルギーをより効率よく使うためのフライホイール、ニッケル水素電池、水電解装置、燃料電池などを見学し、それらの連携や実働状況の説明を受けました。

ZEH (net Zero Energy House: 再生可能エネルギーを導入し、エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅) やP2G (Power To Gas: 余剰電力を水素ガスに変換して貯蔵・利用する取り組み) を聞いたことはありますが、これらの言葉をより身近に感じられる様になる施設でした。



 



実は今インターンシップ中でして、インターンシップ先のメンターの方も本大会に参加しておりお世話になりました。ありがとうございました。

本大会への参加も含め普段の研究室とは異なる新しい風に触れて、自分の中の世界が広がっている感覚があります。

材料そのものの物性ではなく、SOFCセル全体としての発表を多く聞くことができ、一つ一つの要素研究がどう使われて他にはどういう必要なものがあり必要な要件があるのか視野が広がりましたし、あの時知った知識はこういう場所で活かせるななど発見もありました。

今行なっている研究の最終的な目的地として、社会でどう使われるかは常に考えるべきことでシステムがどう社会に受け入れられるかは重要なので、その実証と発信を行なっている施設を見学できたことも良い経験となりました。

燃料電池は単体ではなくエネルギーマネジメントシステムの中で真価を発揮するものだと思うので、エネルギーマネジメントシステムが今後どう社会に取り入れられていくのかも注視しなければならないですね。