プロトン伝導体の最高峰「SSPC」へ!BEST POSTER AWARDに選ばれました!(佐藤)
3連投になってしまいました。M2の佐藤です。
最後に、僕にとってこの夏最大のイベントであるSSPCに参加してきたのでシェアしたいと思います!!
・SSPCとは?
数年に一度開催される、プロトン伝導体では最大の国際学会です。以前には高村研の大先輩である川森さんも発表されています。今年は日本(福岡)開催ということもあってか、本当に運良く自分も参加させて頂くことができました。発表は5日間に渡って口頭発表セッションとポスターセッションが行われました。一つの分野だけでここまで長く(深く)議論される学会もなかなか無い気がします。
・会場の様子
会場は「西新プラザ」という福岡の街中にある建物で行われました。すぐそばを川が流れ、少し歩くとpaypayドームというロケーションでした。
発表会場はこんな感じ↓
とにかく「お金がかかっているな〜」というのが素直な感想でした。
例えば、発表会場の外からでも大きなモニターで発表の様子を見ることがきるようになっていたり、発表会場を出たところにはケータリングが常備されており、発表の合間にある「コーヒーブレイク」の間にここで談笑するという感じでした(そもそも普通の学会にはコーヒーブレイクの概念すらないのでは?)。↓
・海外から偉大な先生方が参戦
日本の外からもRotraut Merkle先生、Sacha Fop先生、Sossina M. Haile先生、Truls Norby先生など、有名な先生方がたくさん参加されていました。それだけ大きな学会であることがわかりますね。恥ずかしながら自分の中では「普段読んでいる論文と著者の名前」が全く紐づいておらず、最初はピンときてなかったのですが、後からZoteroで名前を検索したら自分がお世話になっている論文がめちゃくちゃ出てきました笑。これからは著者にも注目してこのような機会に備えたいと思います。
これは終わり際に急いで撮ったMerkle先生との写真です。↓
余談ですが、Fop先生は論文の写真通りのイケオジでした。後で出てくる有田旅行のバスで隣だったのですが、やはりイケオジでした。
論文の写真↓(http://xlink.rsc.org/?DOI=D1TA03499E)
・知ってる研究がいっぱい出てくる
SSPCの魅力の一つは、「自分に馴染みの深い研究がたくさん紹介される」ことだと思います。これは、学会のテーマが絞られているが故ですね。電極材料のセッションは自分の勉強不足もあって議論について行けない部分があったのですが、自分が関わっている電解質材料や前々から興味を持っていたヒドリドのセッションはほとんど自分が目を通したことのある研究ばかりでテンションが上がりました!!特に山形大学の笠松先生や東工大の八島先生、九州大の兵頭先生の発表は論文の印象が強く残っていたのですごく楽しめました!
・研究発表以外にもイベントが盛りだくさん
今回のSSPCでは、学会以外にもイベントがたくさん盛り込まれていました。
特に、
・レセプションパーティー
・有田町旅行ツアー & バンクエット(食事会)
が印象に残りました。
レセプションパーティーでは、おしゃれな料理がたくさん振る舞われました。下にその一部と、僕が一番気に入っていたキャンディー型の稲荷寿司を載せておきます。これがうまいんだまた。石井先生はひたすらシャインマスカットを食べていました。
有田町旅行ツアーでは、参加者みんなでバスに乗って佐賀県有田町に行きました!有田町といえば有田焼ですね。ということでみんなで「九州陶磁文化館」に行き、有田焼の展示を見に行きました。高級そうなお皿からオリンピックのシンボル、人形など、たくさんのジャンルのものが展示してありました。有田焼に表現できない形はないのかもしれません。
有田町で一番気に入っているのがこの一枚です。↓この世の全てを有田焼で埋め尽くしたいのでしょうか??商売人としての執念を感じました。
バンクエットでは、福岡で有数の高級魚料理店「稚加榮 」にて貸切で盛大に食事会が催されました!真ん中に大きな水槽があり、その周りを囲む形で参加者が食事を楽しみました。
近くに座ったカナダ出身、トルコ出身の方とずっと話をしていたのですが、ここで一つ痛感しました。「英語にも癖がある」ということを。カナダの方の英語は教材に載っているようなものすごく聞き取りやすい発音だったのですが、トルコの方の英語が全くといっていいほど聞き取れませんでした。しまいには、トルコの方が話した英語をカナダの方の英語に直してもらって聞き取るというよくわからない構造で会話を進めていました。そして同じような現象が他の国の方にも起こっていることに気づきました。そして逆に日本人も同じような感覚を持たれているんだと思います。特にヨーロッパや中国出身の方の英語はなかなか強敵でした。ただ、これの対策方法がいまだにわかりません、、。やはり場数でしょうか??このような経験も国際学会ならではで非常に勉強になりました。
・毎日うまい飯
学会が終わった後はひたすら博多のうまいものを楽しみました。もつ鍋や水炊き、屋台ラーメン、うどん、パフェなどいろんなものを食べに行きました。総じて美味かったです。特に(多分)2日目には、少しお高めの水炊きの店で高村先生にご馳走になりました!!ご馳走様でした!
・いよいよ自分の発表
そしていよいよ自分の発表の時がやってきました。ポスター形式だったため、口頭発表と比較すると準備できない要素が多いこと、全て英語でのディスカッションになること、聴講者の方々が第一線で活躍されている方ばかりなこと、と不安要素を上げるとキリがない状態でした。実際、自分の周りでは産総研でバリバリ研究されている方々や大学の教授・助教授の先生方が発表していて、学生でしかも修士課程ごときの自分には完全に不釣り合いな雰囲気でした。そういったこともあり、ポスターセッション直前には吐きそうなほど緊張してしまいました。ただ、いざセッションが始まると緊張している余裕もなく、必死で自分の研究の魅力を伝えました。
聴講者のリアクションは十人十色で、「面白い、お前がベストポスターだ!」と言ってくださる方がいる一方で、「で?」と言ったリアクションで終始渋い顔で去っていく方もいたりしました。とにかく顔の表情で自分の発表がどう感じられているのかが一発で分かりました。そう言った部分は海外特有の文化や厳しさなのかもしれません。ただ質の高さはさておき、約2時間もの間、英語でディスカッションし切れたのは自信に繋がりましたし、更なる英語力向上へのモチベーションの源になりました。またドイツの研究機関で活躍されている佐田さんが、セッション時間が終わってからも興味を持って聞きに来て下さったのが嬉しかったです。発表が終わる頃には信じられないくらい汗をかいていることに気づきました。
そしてプレゼンの熱が伝わったのか、「BEST POSTER AWARD」に選んで頂くことできました!!このような世界的な舞台で自分の研究やプレゼンが認めて頂けたのは本当に光栄に思います。表彰式の様子(左から2番目が自分です)と賞状&賞金です。↓
・最後に
自分がこのような場に立たせて頂けるまでには、たくさんの方の支えがありました。このような機会を与えて下さった高村先生、日々の研究やポスター作成 にあたってお世話になった格先生・石井先生、学会参加にあたって事務周りの手続きをサポートして頂いたゆき子さん、ポスター発表の直前にアドバイスを下さった九州大学の西原先生、深夜のポスター印刷に付き合ってくれたD1の西村君に今一度感謝申し上げます。ありがとうございました。この経験を研究室に還元できるよう、さらに精進したいと思います。
・P.S. 〜金印の引力〜
学会の合間時間に、石井先生と「漢委奴国王」の金印の展示を急いで見に行ったのですが、その時の石井先生の走行速度が速すぎて衝撃的でした。自分がスーツに革靴だったのもありますが、本気で追いつけませんでした。今年の駅伝は期待できそうです。言い訳は一切聞きません。
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