次世代ディスプレイ用光学薄膜
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タッチパネルはスマートフォンやパソコンなどに使用されていますが、IoTの進展に伴い、IHクッキングヒーターなどの家電や自動車のインパネなど、その応用範囲はますます広がっています。タッチパネルは、ディスプレイ・タッチセンサー・反射防止パネルの3つから構成されており、電子機器の最も外側にくる商品の「顔」なので、そのデザイン性が重要です。そのデザイン性は反射防止パネルにより決まりますが、通常の反射防止パネルは透明なので電源オフ状態ではディスプレイの内部が透けて見えてしまいます (図a)。この反射パネルに黒色コーティングを施すことで、内部の透けを防ぎ、電源オフ状態で高級感のある漆黒を得ることができます (図b)。
タッチパネルの模式図
この黒色材料は黒さだけでなく、指がタッチしている場所を静電気で特定するために電気を流さない性質が同時に求められます。しかし、一般に黒い材料は電気をよく流し、黒さと電気抵抗はトレードオフの性質となるためその実現は困難です。本研究グループでは、上記のような黒さと高い電気抵抗を同時に満たす材料の開発に取り組んでいます。物理蒸着法(パルスレーザー蒸着法、スパッタリング法)を用いて薄膜作製を行い、分光エリプソメトリや直流二端子法により吸収特性や電気特性の解析を行っています。
開発中の黒色絶縁膜
(左) パルスレーザー蒸着(PLD)装置 (右)PLDのプラズマの様子
参考情報